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【弁護士が解説】内定取り消しが認められる条件とは

会社への内定は、雇用を保障する労働契約と認識されており、会社側の都合による内定取り消しについては、合理的な理由がない限り無効とされています。

今回は、内定取り消しが認められる条件について解説していきたいと思います。

書類に虚偽の内容が記載されている

採用選考において提出された書類に虚偽の内容が記載されていた場合、内定取り消しができる可能性は高くなります。

業務上必要不可欠な経歴に関する詐称や、学歴詐称などについては、内定取り消しの合理的な理由に当たる可能性があります。

ただし、業務や採用選考に直接関係がない経歴に関する詐称であれば、内定取り消しまでは認められない可能性があります。

内定後の犯罪行為

内定者が内定後に犯罪を行った場合、従業員としてふさわしくないと判断されて、内定取り消しとなる可能性があります。

内定を出す前の犯罪行為については、事前に伝えられていれば採用選考の際に考慮できますが、内定後の犯罪行為については考慮できないので、内定取り消しの原因になり得ます。

内定後の重大な病気やケガ

内定者が重大な病気やケガなどで健康状態が悪化して勤務が難しい場合、内定取り消しとなる可能性があります。

ただし、状況によってはすぐに内定を取り消すのではなく、健康状態が回復するまで、内定を一旦保留にするという方法も考えられます。

内定後に生じた病気や障害が軽微であり、就労に特段の支障がない場合には、内定取り消しは認められませんので、注意が必要です。

留年

定められた就業の開始日までに、就業予定の者の単位が足りず大学などを留年した場合、内定を取り消せる可能性があります。

ただし、勤務終了後の夜間に少しだけ通えば卒業できる場合や、卒業に必要な単位が少なくほとんど通学しなくてよい場合などは、例外的に留年を理由とする内定取り消しが認められないこともあります。

まとめ

今回は、内定取り消しが認められる条件について確認していきました。

内定取り消しが認められるためには合理的理由が必要とされており、会社からの一方的な内定取り消しについては、無効と判断される可能性があります。

違法な内定取り消しについては法的なトラブルに発展する可能性もありますので、内定取り消しが認められるかお悩みの場合には、事前に専門的な知識をもつ弁護士に相談することを検討してみてください。

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原 武之Takeyuki Hara

弁護士登録後から労務問題と倒産問題を中心に扱ってきましたが、どんな時にも意識するのは、受動的に対応するのではなく、主体的に積極的に対応していくことであると思っています。

問題が発生してから動くのではなく、問題発生を予見し、依頼者の方が目指す方向に向けて解決策をどこまで提示することができるか、それを常に自問して業務を行っています。

所属
  • 愛知県弁護士会
経歴
  • 兵庫県西宮市出身
  • 兵庫県私立滝川高校卒業
  • 平成12年 早稲田大学法学部卒業
  • 平成15年 弁護士登録(56期 第二東京弁護士会)
  • 森・濱田松本法律事務所入所
  • 平成18年 川上法律事務所移籍独立(愛知県弁護士会に登録換え)
  • 平成21年 川上・原法律事務所に名称変更
  • 平成29年2月 オリンピア法律事務所 パートナー

事務所概要

弁護士 原 武之(はら たけゆき)
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